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法定利率・中間利息控除に関する意見書

平成25年6月12日

法制審議会・民法(債権関係)部会 御中

過労死弁護団全国連絡会議
幹事長 弁護士 川人 博

第1 中間利息控除の利率

  1. 中間利息控除の利率を5%とする改正案に反対である。
  2. 実際の金利水準に合わせていくべきであり,当面は1%程度とすべきである。
  3. 少なくとも法定利率を上回る利率には反対である。

第2 中間利息控除の計算方法

中間利息控除の計算方法は,法定利率の計算方法に合わせて単利(ホフマン方式)とすべきである。

第3 法定利率

法定利率を3%に引き下げる改正案に反対である。

第4 理由

  1. 当弁護団は,1988年10月に結成した弁護士の組織であり,過労死等の労災事件(企業損害賠償請求事件等)について,情報交換・経験交流や共同研究・共同行動を行い,もって,被災者・遺族の権利救済,過労死の予防を進めることを目的としている。
  2. 過労で重度の障害を負った人々,過労死で家族を失った人々,とりわけ一家の経済的支柱を失った遺族にとって,企業からの損害賠償金は経済生活を営んでいくうえで不可欠な金員である。したがって,その賠償金額が合理的に算出され補償されることは,被災者・遺族の権利救済にとって極めて重要な事項である。
     かかる観点から見たとき,現行裁判実務において中間利息控除の基礎となる利率が5%とされ,実際の市場金利(1%弱)に比べて高く設定されていることは,被害者救済にとって大変マイナスとなっている。本来であれば,現在においては中間利息控除の利率は1%程度とすべきである。
     したがって,今回の改正案において中間利息控除の利率を5%と定めることに強く反対する。
     ましてや,法定利率を3%に下げ,他方,中間利息控除の利率は5%とするとの改正案は極めて合理性を欠き,被害者救済に重大な支障となる。
  3. 今回の改正案では中間利息控除の計算方法に直接触れていないが,ライプニッツ係数(複利)ではなくホフマン係数(単利)による計算方法と明示すべきである。けだし,法定利率が単利で計算されているのに,中間利息控除の利率が複利で計算されているのは損害額を不当に低くするものである。
  4. 過労死等の不法行為や債務不履行の賠償金支払を怠った企業等に対し,相当の遅延損害金を付加することは,加害者に対する制裁と被害者の救済の両面において重要である。かかる観点から見た場合,現行の法定利率5%を引き下げることは,加害者の責任を軽減し,被害者への補償を薄くする機能を果たすことになる。

以上


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