時間外労働についての労働基準監督署の指導見直しの撤回を求める声明を発出しました。
2026年8月20日
報道機関 各位
声明文
過労死弁護団全国連絡会議
代表幹事 川人 博
代表幹事 松丸 正
幹事長 玉木一成
連絡先電話 03-3813-6999
厚生労働省は、時間外労働(残業)についての労働基準監督署の指導を、本年9月から見直し、企業に対し月45時間を超える時間外労働をなくす一律の指導を取りやめる等の方針を、昨日(8月19日)発表した。
そもそも、45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が強まるものと判断されることを、厚生労働省は繰り返し明らかにしてきた。今回発表された見直し方針は、政府・厚生労働省が進めてきた「働き方改革」を正面から否定することにつながるものである。
本年6月20日に、当弁護団が中心となって、全国一斉「過労死・ハラスメント労災110番」の電話相談活動を実施したが、一日だけで、300件を超える相談電話が、当事者・家族から殺到した。
そして、7月15日には厚生労働省が公表した令和7年度「過労死等の労災補償状況」の内容は、実に深刻な内容を示した。令和7年度に、業務上の過労・ストレスによって病気になったり、死亡したとして、労災保険金の給付を国(労基署)に請求した件数が、ついに6千件を超えたのである。このうち、脳・心臓疾患事案は1254件(前年度比224件増)で、精神障害事案(自殺含む)は4958件(前年度比1178件増)だった。合計すると、一年の間に5千件を超えたばかりか、6212件にまで達した。この数字に示されるように、現在の日本の職場においては、業務上の過労・ストレスにより、働く者の健康が損なわれ、命まで奪われる実態が続き、より深刻化しているのである。
かかる情勢の中で、今回の見直し方針が提起されたことについて、厚生労働省に対し、強く抗議し、これを直ちに撤回するよう求める次第である。
以上

